6.2. エネルギーの流れと生物圏における物質循環
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ヒトや他の動物は、太陽光エネルギーを、我々が食物として消費している糖や他の有機分子の化学エネルギーに変換する植物に依存している
光合成 photosynthesisでは、有機分子を合成する化学的な過程が太陽の光エネルギーによって駆動される
我々が植物に依存しているのは植物だけではない
光合成を行う樹木が形成した「材」に由来する木材の骨組みを持っている
しかし、ヒトではなく他の動物の観点からすれば、光合成は第一に食物の生産である
生産者と消費者
独立栄養生物 autotroph
栄養を他の生物に依存しない生物
植物など
自らが持つすべての有機物(炭水化物や脂質、タンパク質、核酸など)をもっぱら無機物(二酸化炭素と水、土壌の無機塩類)からつくる
従属栄養生物 heterotroph
栄養を他の生物に依存する生物
ヒトや他の動物
無機分子から有機分子を合成できない
栄養を得るために有機物を食べなければならない
ほとんどの生態系は光合成に食物を依存している
生産者 producer
植物や他の独立栄養生物
消費者 consumer
従属栄養生物
光合成と細胞呼吸の間の物質循環
光合成の材料である化学成分は、大気から微小な気孔を経て植物体内に入る二酸化炭素(CO2)と根によって土壌から吸収される水(H2O)
葉の細胞の葉緑体が光エネルギーを使ってこれらの材料の原子を再構成して糖(その中で最も重要なグルコース(C6H12O6))と他の有機分子をつくる
光合成の副産物は気体の酸素(O2)
動物も植物のも光合成の産物である有機物をエネルギー源として使う
細胞呼吸と呼ばれる化学過程は糖や他の有機分子に蓄えられたエネルギーを取り出す過程
細胞呼吸では有機燃料から取り出したエネルギーを別のエネルギー源、すなわちATPに変換するのにO2を使う
細胞はそのほとんどの仕事にATPを消費する
植物も動物も細胞呼吸によるATPの生産は、主にミトコンドリアと呼ばれる細胞小器官で行われる
細胞呼吸で生成する廃棄物は光合成の材料であるCO2とH2O
植物は光合成によって化学エネルギーを蓄え、細胞呼吸によってこのエネルギーを取り出している
しかし、植物は通常、燃料以外の多くの有機分子を合成する
光合成のこの余剰は植物が成長するための有機物として供給される
それはまた、ヒトや他の消費者の食物資源になる
植物は光合成と細胞呼吸の両方をするが、動物は細胞呼吸のみを行うことを忘れないように
どんな食物連鎖をさかのぼって解析しても、成長のためのエネルギーと素材となる物質は太陽エネルギーで駆動された光合成にたどり着く
→6.3. 細胞呼吸 : 食物から好気的にエネルギーを取り出す